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黒船、『NIGHT FLIGHT TOUR』地方遠征編(名古屋、奄美)

 ここでは2019年12月に行われた、新体制となった黒船の初のツアーである『NIGHJT FLIGHT TOUR』の地方遠征場所となった、名古屋と奄美に訪れた時の事を書かせて頂きます。これは2019年11月に配信のみでリリースされた、シングル『Yanbaru』のリリースツアーという名目もあり、黒船にとって約1年振りとなるツアーでもありました。どうぞご覧下さいませ。



  2019年12月1日(名古屋1日目)

 黒船リーダー関谷君、ボーカルの里アンナさん、津軽三味線の白藤ひかりさん、そして自分という、4人体制となった黒船メンバーと、サポートドラマーの松浦千昇君、今回のゲスト演奏者となっている津軽三味線の武田佳泉さんの計6人を乗せた車は、東京から名古屋に向けて高速道路を走らせていました。


 今回の行程はシンプルに東京と名古屋間の1泊2日というものだったので、レンタカー1台で皆で移動するというスタイルをとっていたのです。黒船としては新鮮な雰囲気でしたが、新体制の門出を迎える意味でも良い変化になったのではないでしょうか。運転は基本的に関谷君と自分とが交代で行い、まずは皆を無事に名古屋へと届けます。その後順調に14:00頃には現地近辺に到着でき、遅めの昼食をとるぐらいの余裕も生まれていました。


 今回のライブをさせて貰う Breath というお店の場所は名古屋市中村区の西側。個人的に何度も足を運んだ名古屋という場所の中でも、殆ど行った事の無いエリアに位置していました。その為ご飯屋選びには苦労しまして、やっと見付けたのが回転寿司屋…。来週、奄美に行く事を考えると、寿司は少し早過ぎるような気もしましたが、寿司に罪はありません。ひとまずの腹ごしらえを済ませます。


 そして名古屋 Breath に到着。初めて足を運ぶ場所でしたが、丁度良い大きさのライブレストランという感じでしょうか。しかし機材は充実していて、ライブハウスだけで見ても満足度の高いステージ周りが実現していました。いや、充実していたのはステージ周りだけではなく、客席を見ると、この日独自のメニュー表が作られていて、食事の欄にはなんと“黒船弁当”なるものが(笑)。どうやらオリジナリティも充実しているようです。


 そして本番の時間となりました。名古屋は黒船で足を運ぶのは今回で2回目。遠征地としてはこれから育てていきたい感じでもありますが、東京からも距離的に身近な場所だけに、今後も引き続きやっていきたい遠征地の1つとなる事でしょう。



 黒船のレパートリーである“豊年節”から始まり、“Caravan”へと続いていきます。この辺りは黒船の持つ、民謡ジャズアレンジという側面と、逆に、スタンダード曲の民謡サウンドという側面の、正にハイブリッドな部分を表現できる打って付けの時間でもありましょう。…とは言え、それぞれのソロもたっぷりと取り、改めてジャズバンドという一面もしっかりと見せていくわけです。


 さて、前述したように今回は配信シングル『Yanbaru』のリリースツアーでもあったので、新アレンジの“Yanbaru”をお届けしたのは当然ではありましたが、今回はもう1曲、その配信のB面に収録されている“Ito(イトゥ)”という曲の見所が大きかったのではないかと思います。それはやはり、津軽三味線の武田佳泉さんがゲストに入ってくれていたからでした。


 “Ito”はリリース音源ですとゲストは異なるのですが(尺八、神永大輔さん)、今回のライブではこの曲をゲスト参加の曲としてお送りした事で、印象の強い展開になったのではないかと思ったのでした。勿論、その中ではサポートドラマーの松浦君の力も大きかったでしょう。時に難解なアレンジとなる黒船楽曲(笑)を、初共演にして見事に叩き切ってくれました。現在21歳!…素晴らしいです。


 そして、やはり“La Fiesta”は盛り上がります。ハイライトは津軽三味線二丁とリーダー関谷君とのソロバトル。全てが弦楽器というのも良いですよね。ここではベースもフロント楽器とばかりに前に出るのもお馴染みの風景(笑)。改めて名古屋にも、黒船の音楽の風を吹かせてこれたのではないかと思います。どうもありがとうございました!


 白藤ひかりさんと武田佳泉さんの2人は津軽三味線ユニット『輝&輝』(キキ)を組んでおり、今回も息の合ったプレイは勿論、お互いをサポートさせる事で、2人以上の力が発揮されていたステージにもなりました。黒船の新体制初ライブであったと共に、各所に見所が多買った時間になったのではないかと思います。それは集合写真にも表れていました。

  


 ひとまず1本目となるライブを終える事が出来ました。これから奄美、東京と残っていますが、ここでの手応えは確かなものでした。次へのステップアップを考えつつ、まずは新体制で初の打ち上げです。どうやら Breath 内で色々と用意してくれているようでした。何とも有難いではありませんか。せっかくなので、少し多めに飲む事にしましょう(笑)。次の日は東京に帰るだけですしね。


  2019年12月7日(奄美1日目)

 黒船の奄美ツアーは成田空港の第3ターミナルから始まりました。鹿児島県の奄美に行くのは〔竹内大輔の写真日記2、黒船、奄美ツアー(2014.12.12〜12.14)〕以来、約5年振り…。もうそんなに経ってしまったかと思う反面、あの時は確か、黒船の初CDアルバム『CROSSOVER』のリリースツアーの時であり、あれから新しく2枚のフルアルバムと、今回の配信シングルをリリースというタイミングだったので、なるほど、それは5年も経つわと思ったものでした。あの時使った LCC バニラエアも Peach に統合され、時代の移り変わりも感じさせてくれます。


 LCC なので、預け入れ荷物にも工夫を凝らさなければいけないのも久し振りな作業です。今回は2泊3日という行程ですが、楽器がある自分達にとってはどうしても荷物は多くなってしまいます。普段の航空会社に比べて面倒ですが、航空券を安く抑える事が出来たからこそ自分達も奄美に行けるチャンスがあるわけで、やはり LCC はありがたい存在なのです。チェックインも無事に済みました。


 “黒船”のお土産を抱えて搭乗開始。奄美までの所要時間は約2時間40分。国内線にしては長距離の移動となりますが、この日は天候も良くないので窓の外の景色も望めず、ほぼ眠って過ごしました…。明日行うライブのセットリストを確認しつつ、ステージングも確認しつつ…。何だかかんだで奄美までのフライトはあっという間だったような気がしました。奄美空港到着は16:30過ぎ頃でした。


 空港を出て、事前に手配していたレンタカーをピックアップ。向かうは…里アンナさんの御実家です(笑)。この日はここで夕食を頂ける事になっていたのでした。この後、前日から自宅で待機していたアンナさんの道案内の説明に出てきた「ユンボー」が皆理解できず混乱したという状況はさておき、里アンナ家にて全員集合。お酒を交わしつつ、久々の奄美ライブの前夜祭となったのでした。


 出されたご飯が全て美味しかったのは覚えているのですが、自分達が予約したホテルがここから車で1時間ぐらいの場所にあるにも関わらず、メンバー皆お酒を飲んでいたと考えると、最終的には代行を使って移動をしていたようです。その移動中が殆ど覚えていません(笑)。そういえば、テレビでフィギュアスケートを皆で見ていたような気もします。なかなかアットホームな時間でした。


  2019年12月8日(奄美2日目)

 前日、飲み過ぎた事もあって、この日は最初から昼の12:00集合と決めていました。昨夜以来の食事に行くわけですが、この時間で丁度良かったと思います。…とは言え、自分はもう少し早い時間からホテルの周りを散歩してたりしていて、よりゆっくりな時間を楽しんではいました。ここは名瀬。奄美大島の中枢地です。


 アンナさんはまだ実家に留まっているので、残りの他メンバー4人での行動になりますが、まず向かったのは開店寿司屋でした。なんだか名古屋のデジャブな感じではありますが(笑)、以前奄美に来た時にも寄ったお店で、何となく今回も寄っておきたかったのです。店内の様子は少し変化がありましたが、お寿司の味の良さは健在で、来た甲斐があったというものでした。


 この後も時間があるので、もう1ヶ所くらい車で回ろう…という予定になっていましたが…自分はビールの注文を抑える事が出来ませんでした。運転者離脱です。



 次に向かった場所というのは、大浜海浜公園という所で、何となく海が見える場所に行きたいという思いと、名瀬から車で気軽に行けるという事で選びました。小高い丘から、浜に向けて道を下っていくと着くというその立地は、車の目の前に海が広がり、奄美に来たという実感を更に湧かせてくれるものとなりました。

  

 広めの海水浴場もあれば、大きな広場もあり、昨日と打って変わってこの日は天気が良かった事もあって、のんびりするにはもってこいです。そんな時、自分達は水族館を見付けてしまいました。これは正に、入っておかないといけないという事でしょう(笑)。何かに導かれるように?自分達は建物の中に入り、そしていつの間に?入館券を購入していたものでした。


 入館し、パッと目に付いたのが大きな水槽で、しかもそこには何匹もの海ガメが優雅に泳いでいます。どうやら水族館というより、ここでは海洋展示館と称しているようで、生物等を見るだけではなく体験して貰えるコーナーも交えて楽しめるような、そんな場所ともなっているようでした。そして水槽の上のフロアに階段で上がってから目に飛び込んできた「海ガメの餌やり」。これはやりたい!


 黒船メンバーが海ガメと触れ合う姿を収める事が出来ました。これはなかなか東京では体験する事が出来なさそうです。ライブは空気感が大事という事を考えると、今夜のライブは奄美の風を十分に感じられるステージが出来上がるのではないでしょうか。そんな期待感さえ思い起こさせる光景でした。この後も様々な展示を見つつ、もう少しの時間潰しの為、同じ敷地内にあるカフェへ…。のんびりとした時間が続きました。

 …さて、奄美の島時間を堪能したところで、いよいよ今回のライブ場所、奄美 ASIVI にと向かう事にしましょう。以前も黒船でライブをやらせて貰ったところで、泊まっているホテルと同じエリアの名瀬にあるお店です。ここまで来ると流石に街らしい雰囲気になってくると言いますか、何だかライブも盛り上がりそうな安心感が漂ってきました。良い流れで到着出来た奄美 ASIVI。楽しみです。


 お店の前に堂々と掲げられた、今回のツアーポスター。これだけでもお店から歓迎されている事がわかります。期待もされているという事ですが、それに応えるべく、自分達としてはライブに集中する事が大事と言えましょう。ライブモードに切り替えつつ、リハーサルを終え、本番の時間を待ちました。どうやら客席は、沢山のお客さんでいっぱいになっていたようです。


 いよいよ本番が始まりました。この日も名古屋の時と同じく“豊年節”から始まりましたが、いつもよりはゆったりとした感じだったかもしれません。島の時間に合わせたのか、自然とそうなっていたのか分かりませんが、そう言えば、MCも多くとられていたのがこの日の特徴だったとも言えましょう。


 やはり5年振りの奄美でもあり、話したい事も多かったのかもしれません。しかもただの5年ではなく、黒船というバンドの歴史の5年間という数字でもあったのですから尚更です。この間には黒船としての作品が増え、その分レパートリーも増えました。特にライブ選曲に関しては5年前は1枚目のアルバムが出たばかりですから、当然持ち曲も少なく、カバー曲が大半且つ、確かアンナさんソロの曲が3曲ぐらいあったものです(笑)。


 今回はその事に対する成長の証としてなのか、黒船ではインスト曲もレパートリーに入っている中、全曲がボーカルが入った曲でステージを構成させていきました。勿論、だからと言って楽器陣で支えるという役割ではありません。津軽三味線と奄美民謡の2フロントというのが黒船の醍醐味。そしてジャズのフォーマットでステージを見せていく姿は、正に以前から成長した自分達でもありました。

 奄美民謡の曲をアレンジして披露している黒船にとって、奄美でのライブというのは正に本場での演奏で、5年前にここで認められた事でバンドへの自信に繋がったものですが、今回はそれとはまた違い、その事をバンド内で消化させ、更に新しい試みで奄美にやってきたという思いがありました。そして今回も沢山の拍手を頂けました。この嬉しさは、奄美のお客さんと一緒にライブを作っていけたという部分が大きかったように思います。


 前回より、気持ち的にも余裕があり、全体的に良いライブになったのではないでしょうか。やはり奄美でのライブは、黒船の音楽的にも原点に戻れる部分があり、大事な場所のように思えます。ここで見守って下さる方々が大勢いらっしゃって成り立つサウンドを大事にしていきたいですね。前日に到着し、ここまで過ごせた時間を生かせたような気もします。どうもありがとうございました!



 後ろのポスターと立ち位置を揃えてみました(笑)。



 良いライブを終えた後のお酒は美味しいです。ビールや焼酎に舌鼓を打ちつつ(ワインの人もいますが…笑)、奄美の夜を楽しみました。確か締めにラーメン屋も寄ったような気がします。


  2019年12月9日(奄美3日目)

 この日は奄美から東京に戻る日でしたが、自分は夜に東京で別のライブがあり、メンバーとは別移動で帰る事になっていました。しかし、奄美から東京に飛ぶ飛行機というのは極端に少なく、往路で使った Peach は夕方に出発する1本しか無く、これだとライブは間に合いません。日本航空の直行便もありますが、これは航空券が驚くほど高いです…。


 そこで見付けたのが、スカイマークによる、鹿児島空港乗り継ぎの羽田空港行きでした。これですと、鹿児島空港にて約3時間の乗り継ぎ時間が発生するものの、それなりに安く東京に戻る事が出来るようです。つまりは、奄美を出発する時間も早くなってしまうのですが、安さは大事です(笑)。朝8:30頃にホテル前を出発する空港バスに乗り、1人奄美空港へと向かったのでした。


 ここからはほぼ飛行機旅という感じですので(笑)、写真を眺めながらお楽しみ下さい。



 天候に恵まれた奄美空港を離陸し、眼下に笠利の町を見ながら、まずは鹿児島空港へと向かいます。所要時間は約1時間ですが、これでも同じ県内の移動というのが凄いです。海を越え、薩摩富士と言われる開聞岳が見えてくると、いよいよ九州側の鹿児島県へ…。その後、桜島を左手に見ながら鹿児島空港へと到着しました。こちらの天気は曇りという感じだったでしょうか。



 ここで約3時間の乗り継ぎタイムです。3時間というと長そうに感じてしまいますが、元来空港好きな自分にとってはむしろワクワクする時間です。また、その時間に昼食も済ませなければいけないので、逆に時間が無いのではないかと思うくらいでした。鹿児島といえば黒豚。ここではそれを手軽に食べられる米米麦麦にて昼食として、展望デッキにも勿論足を運ばせつつ、空港の外にも出てみました。



 やってきたのは、空港から徒歩5分くらいのところにある西郷公園。ここには立派な西郷隆盛像がある事はあまり知られていません。かくいう自分も初めて訪れましたが、穴場と言えるほど空いていて、のんびりと出来ました。東京で見る西郷隆盛像とはひと味違うその銅像は、鹿児島という場所に来た事を強く感じさせられる場所でもありました。奄美も行き、鹿児島の本土側にも行き、短い間に色々堪能できた奄美ツアーになりました。このまま向かうは羽田空港。そして、この1週間後に行われる黒船『NIGHT FLIGHT TOUR』のファイナルの場所が、正に羽田空港で行われるのでした。


 ☆黒船の(UNIVERSAL MUSIC の)HP…


 ☆名古屋 Breath のHP…http://breath.nagoya


 ☆奄美 ASIVI のHP…http://www.a-mp.co.jp

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