TRI4TH『SING ALONG TOUR』後半戦として特筆されるのが、初の札幌ワンマンライブを行うという事でした。これまで、イベントや対バンライブ(2マンライブ)等では何度か足を運ばせて頂いてきましたが、ついに今回のツアーからはワンマンライブに札幌が組み込まれます。これこそバンドを続けてきた甲斐があったというものですが、この札幌ワンマンからは、また新しい試みを持ってライブに臨む事にもなりました。順に追っていければと思います。
2019年11月2日(札幌1日目)
これまでのツアーは基本的に車移動となっていた TRI4TH ですが、流石に札幌は飛行機での移動となりました。…とは言え、ライブ当日入りの、翌日帰り…。慌ただしいという意味では逆に群を抜いている場所とも言えそうですが、だからこそ、大いに札幌という場所を楽しみたいものです。東京発の飛行機はわりと早めに設定されていましたが、新千歳空港に着いてから、何故かここで1時間ほど空き時間が生まれたので、皆で個人行動で空港内をブラブラとしていました。
早速北海道の幸を堪能する者、お土産を見る者、お茶をしている者等、それぞれだったとは思いますが、自分は空港の展望台に行ってきてました。ここからの景色は個人的に大好きで、正に北海道に降り立ったという気分にさせてくれるのです。北海道の11月初めという季節は、東京以上に肌寒さを感じるものでもありましたが、妙に心地良く感じられた時間でもありました。
その後、バスで札幌市内へと移動。今回のライブ場所である BESSIE HALL へと到着しました。今回は自分のキーボードを事前に郵送させており、ここで自分の楽器と対面出来たのが何だか嬉しかったです。セッテイングにはまだ時間が掛かるとのことで、その間にメンバーでラーメン屋へと足を運ばせました。向かった先は“らーめん信玄”。最高のお味でございました!
リハーサルも順調に進み、いよいよ本番の時間となりました。ステージに上がり、自分達の時間を作っていきます。そこから見えた光景は、沢山のお客さんに囲まれているという状況でした。初めての札幌ワンマンでしたが、本当に沢山の方にお越し頂けたようで、ツアー後半戦を最高の形でスタート出来たように思います。
いつものようにステージを進めていきましたが、この札幌ライブから新しい試みを2つ取り入れてみました。まず1つはリクエストコーナー。事前にインターネットでリクエストを募り、その中から1曲を演奏するというものです。確かに、ツアー中の選曲は最近の曲からが中心となっている部分も大きいので、少し前の曲を聴いてみたいという意見もあるでしょう…。そんな中で今回取り上げたのが“Rebellion”。かなり久し振りに演奏しましたが、改めて激しい曲だと再認識(笑)。TRI4TH らしいテクニカルなフレーズに、速いテンポで襲い掛かるリズムセクション。そして歪ませたベースソロと、これはなかなかの時間になったと思います。
2つ目の試みは、“即興コーナー”です。これは、その場にいるお客さんに北海道に関するキーワードを計3つ頂いて、そのワードを元に自分達がその場で即興で曲を作り上げていくというものです。ジャズバンドである自分達らしいコーナーとも言えそうですが、ある程度予想は付くものの、本当にどんなワードが来るか分からないので、かなりスリリングな時間であるとも言えそうです。
こうして頂いた今回のワードは“雪”、“白い恋人”、“ラーメン”でした(笑)。この後、曲のキーを決め、誰かから出始めたフレーズ(誰から始めるかもその場で決める)を元に、即興演奏をお送りしていきます。よく考えたら、事前にキーワードが予想できたとしても、今ここで出した音まで予想出来るわけではないので、要は本当に出てきた音にその場で反応して演奏していくしかないわけです。正に即興…。ある意味で TRI4TH の真骨頂とも言える時間になったのではないでしょうか。スリリングさと楽しさが入り混じる感覚でした。
この2つの新しい試みは、今までのライブを振り返ってみて、どこか常にストイックに進めてきてしまった所があったかも…という思いがありまして、何かしらリラックス出来るようなポイントをステージに組み込めたらという提案から生まれたものでもありました。これは結構大事な流れで、確かに今回の試みを取り入れる事で、よりお客さんとの対話が出来たのではないかとも思ったのです。
勿論、それまでの流れが悪かったわけではないのですが、より自分達の魅力を知って貰う為にも、良いチャレンジになったのではないかと思いました。幸いにもお客さんからは好評をもって迎えられたようで、この先も続けていこうという事にもなりました。札幌での初ワンマンライブは、こうして色々なものを吸収できた1日にもなったようです。それは打ち上げでも同じ事(笑)。北海道の魅力を凝縮させた食事は最高でした!
11月15日(広島、名古屋1日目)
『SING ALONG TOUR』の地方遠征はこれで最後となる、広島、名古屋。これも前回の大阪、福岡〔TRI4TH、『SING ALONG TOUR』地方遠征編1(仙台、大阪、福岡)〕の時と同じく、広島前乗り、ライブ後深夜移動で名古屋へ…という形を取りました。相変わらず過酷ではありますが、逆に名古屋からの帰路が非常に近くも感じてしまいます(笑)。
…となると、広島の夜を楽しめるのは前乗りした1日のみ。なるたけ早く着いておきたいという心理も働き、東京から車で約10時間。そんなに遅い時間にはならずに広島の食へと辿り着けました。この時点で、前回の札幌ライブからは約2週間の日にちが空いてましたが、リハーサルを積み重ね、パフォーマンスをひと回り成長させた自分達がここにありました。早く披露するのが楽しみです。
面白かったのが、いつもツアーの楽器回りでお世話になっているスタッフの桑原さんが、別現場で同じく広島に来ているとの事で、合流を果たしたという事です(笑)。仕事の枠を越えて、こうして地方でお酒を交わす事が出来るというのも何だか嬉しいですよね。TRI4TH はメジャーデビューして格段に関わる方々が増えたという印象がありますが、こういった時間に繋がるのは有難いものです。広島の夜を楽しく彩らせて頂きました!
11月16日(広島、名古屋2日目)
さて、広島でのライブは SECOND CRUTCH というお店で行わせて頂きました。広島でのライブは久々になってしまう事が多く、今回は丁度1年振りという状況でしたが、1本1本を大切にやっておきたい場所でもあるのです。そして、TRI4TH にとって縁の深い広島という土地。盛り上げていきたいものでした。
この日は、とても良い感触でライブを進められたと思います。ツアーも5本目ともなってくると、悪い意味で慣れも生じてきてしまうとは思うのですが、自分達にも刺激と新鮮さを求めるべく、攻めの姿勢を崩さずにステージと向き合って
いけたらかもしれません。そんな今回のリクエストは、バラードの中でも人気の高い“Everybody Knows That”。曲の音色を大事に演奏していきました。
そして今回も“即興コーナー”をお送りしていきます。今回は広島に関するものをテーマに、やはり3つのワードを頂きます。ここで頂いたのが“平和”、“瀬戸内”、“War is over”
というもの。これはストーリー性のあるものが出来そうな予感がしますが、緊張感のある音の羅列から、徐々に洗練された音になっていくという展開を見事に付けて演奏出来ました。勿論これは結果論なので、弾いている身としては、これからどのような展開になっていくのか、常にドキドキな状態だったわけですが(笑)、後からその演奏を聴いてみて(今回もインスタライブ配信を行いました)、なんとか形になって良かったという感じです。
さて、新しい試みは更に続き、この日はなんと初披露する新曲も盛り込んでみました。まだタイトルは決まっていませんが、シャウトを盛り込み、ピアノフレーズも転がさせ、ロックテイストの強い新曲が出来上がったと思います。これからアレンジも変わっていくと思いますが、TRI4TH の「現在」という形を端的に表現出来たのではないでしょうか。盛り上がる時間になったと思います。
さて、広島でのライブを終え、この日はこのまま名古屋へと車を走らせます。大阪→福岡もなかなかの距離ですが、広島→名古屋も結構な距離である事には違いありません。安全運転をしつつ、夜通しのドライブ。道中、車内でインタビュー映像などを撮る時間もありましたが、ほぼほぼ真っ暗の移動は、これまでのライブを個々で振り返るのにも丁度良い時間だったのかもしれません。広島のライブは時間帯が早かった事も相まって、名古屋へは朝の3:30頃には到着出来ました。
11月17日(広島、名古屋3日目)
名古屋の朝は、またしても自分は早めに起きてしまいました。この日は入り時間までの間に名古屋城へと足を運ばせ、その姿を久し振りに拝んできました。やはり気分転換になる時間は良いものですね。リラックスして今夜のライブ場所である、今池 THE BOTTOM LINE に到着出来ました。
BOTTOM LINE は本当に大きなキャパシティを持つライブハウスです。大きい、大きいと聞いてはいましたが、実際に足を運ばせた時に感じる広さといったら、今までとは比べものにならないくらいでした。いや、そんなの名古屋城に比べたら…と、変な比較をする自分が出てくるくらい、とにかく広く、大きかったのです。逆に、ここまで大きい場所でやれるようにもなった…と考えるべきでもありましょう。
会場が大きければ、ステージも広いです。しかし、今回のツアーファイナルとなる東京のマイナビ BLITZ 赤坂は、更に大きいキャパシティを持つライブハウスです。ここで怯んではいけないのは当然で、むしろ今日がセミファイナルという大きな気持ちで臨み、いわゆるラストに繋げていきたいものです。大きなステージをふんだんに使い、名古屋での本番が始まりました。
これは今まで何度も言ってきている事ですが、名古屋は TRI4TH にとって第二の故郷でもあります。トランペットの織田氏、そしてドラムのタカオさんが大学時代を共に過ごした場所…。こうした縁があって TRI4TH というバンドは生まれ、当然、以前からツアーの遠征先としても真っ先に名古屋という場所は選ばれていたものです。
そういった状況もあって、名古屋ではいつも温かい雰囲気でライブをする事が出来ています。特に今回は、色々な場所を回ってきて、最後の地方遠征場所がここ名古屋という事もあって、前述したようんツアー・セミファイナル感が強く漂っていました。ここでは TRI4TH は「おかえり」とも言って頂けます。そんな場所、本当になかなか無いのです。お客さんからの歓声を受け取り、精一杯のライブパフォーマンスで返事をしていきました。
今回のリクエスト曲は、名古屋(愛知)に因んだ“じゃんだらりん”。そして即興コーナーの名古屋に関するワードは、“鯱”、“味噌カツ”、そしてドラマーの“中村達也さん”というものでした。これにはタカオさんも触発されたのか、この日の即興はドラムから始まりました。名古屋というワードから生まれた盛り上がった時間。1つのハイライトになっていたのではないかと思います。
やはり名古屋は最高です。遠征ツアーの締め括りとして、良いステージが作れたのではないかと思いました。TRI4TH と名古屋の皆さんとの信頼関係とでも言いますか…。それがあったからこそ作れたライブでした。ツアーをするバンドで、名古屋は難しい場所…というのは通説でもありますが、いやいや、TRI4TH にとっては無くてはならない場所です。どうもありがとうございました!
この感謝は打ち上げにも続きます。名古屋での打ち上げとしてお馴染みの味仙本店へ…。お馴染みの台湾ラーメンは、本店だとよりパンチの効いた味が楽しめます。その中で、辛くないメニューとして“アメリカン”というものがあります。
それを文字って裏メニューで、より辛いものを“イタリアン”、更に辛いものを“アフリカン”と、今まで来る度に教えられてきたのですが、この度、更に更に辛い“エイリアン”という裏メニューが出来たという事を知りました(笑)。もはや固形という感じでしたが、ライブツアーと同じように、味仙も成長し続けているという事を改めて確認。ここまでくると感心しつつ、良い夜を過ごせたように思います。勿論、いつもの写真も忘れずに!
11月18日(広島、名古屋4日目)
この日は東京に帰るのみ。これまでの移動から考えると、全然短い距離だと思ってしまいますが、昨日のエイリアンがまだお腹に響いているようです…。ツアーの最後まで、身体とお腹は大事にしていきたいところでした。お疲れ様でした!
☆TRI4TH のHP…https://tri4th.com
☆札幌 BESSIE HALL のHP…http://bessiehall.jp
☆広島 SECOND CRUTCH のHP…http://www.secondcrutch.com
☆今池(名古屋)THE BOTTOM LINE のHP…https://www.bottomline.co.jp
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