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大倉山記念館にて生ライブ

 6月、7月に入って、お客さんを実際に入れて行うライブ、コンサートも多くなってきましたが、その中でも最近印象的だったのはバイオリンの TSUMUZi 君の、横浜は大倉山記念館で行われた生ライブでした。大倉山記念館は小高い丘の上に建つ、1932年竣工の建物で、一見すると神殿のような造りのものの、鉄骨・鉄筋コンクリート造となっています。近代建築史上に重要な位置を締める建物として、1991年には横浜市指定有形文化財に指定されました。



 東急東横線の大倉山駅を出て、駅の脇から伸びている坂を延々と上り、そろそろ疲れた頃に辿り着く環境にあるこの建物は、駅前の賑やかさとは打って変わって静けさが辺りを包んでいて、喧騒の中のオアシスのような存在感がありました。またそこで行われるコンサートというのも、特別なものを表現するにはピッタリだったのかもしれません。



 独特な雰囲気は、そのまま時代を竣工当時に遡らせるような力がありました。どことなくバロック風な音楽を奏でる TSUMUZI 君の音楽にはとても合っているようにも思います。しかし、TSUMUZI 君の世界観で重要な部分を占めるものは“変拍子”。一見クラシカルな音楽の中に隠された前衛的でストイックな試みは、この建物が現代でも通用する、先を見据えた挑戦という想いと一致します。だからこそ共感するという方も多いのでしょう。定員数は通常の半分にしているとは言え、このご時世で皆、集客に苦戦している中、このコンサートに足を運んだ方達はほぼ席数通りの集まりをみせてくれました。



 TSUMUZI 君に会うのは勿論久し振りでしたが、ライブハウスやバーではなく、公共の施設を借りて行うコンサートというのも久し振りでした。状況が状況だけに、ライブハウスで行う演奏よりも条件がもしかしたら厳しいのかもしれませんが、ステージはやはりどこか非日常的な空間が求められてます。この日は、そういった想いと、そんな想いで作られたコンサートだからこそ足を運びたい!…という人とが共感して生まれた1日なったのではないかと思いました。



 お客さんの目の前で演奏出来る喜びを改めて感じております。どうもありがとうございました!…そして大変な中でのコンサートの決行、どうもお疲れ様でした!



 ☆大倉山記念館のHP…https://o-kurayama.com

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